確定拠出年金を企業型から個人型へ引き継ぐ

2017年から個人型の確定拠出年金(iDeCo)が始まりました。

この個人型確定拠出年金は、転職のときに大きなメリットをもたらします。

今までは企業型の確定拠出年金に加入していたけれど、転職先が確定拠出年金制度をやっていなければ一時金として受け取る、あるいは運用指図者として預けておくしか手がありませんでした。

個人型確定拠出年金が出てきたことで、企業型確定拠出年金の資産を個人型へ移換して継続運用することができます。

企業型から個人型へ移換するときに、知っておくべきことをまとめたいと思います。

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加入年数は通算させることができる

確定拠出年金は加入年数を増やすことで、最期に企業年金を含めた退職金を一時金として受け取るときに、より多くの退職金控除のメリットを受けることができます。下記の記事で書いたとおりです。

確定拠出年金の退職所得控除は転職する人の強い味方
転職すると将来の退職金、年金が少なくなるのではないかと心配になりますね。 そんな方に知っておいていただきたいのが確定拠出年金です。 ...

それでは、転職してしまうとこの加入年数が途切れてしまうかと言うと、そうではありません。企業型確定拠出年金の加入年数と個人型の確定拠出年数は通算させることができます。

たとえば加入年数が20年以上の場合は、70万円×20年以上の加入年数が退職金控除になりますから、通算させることで大きなメリットを受けることができます。

ただし、証券口座によっては画面の表示が通算加入年数となっておらず、個人型の加入年数のみになっている場合がありますので、誤解しやすくなっています。気になる場合は証券会社に問い合わせてください。

個人型でも必ず拠出をすること

ただし、単に個人型確定拠出年金の口座を作っただけではダメです。最低額でもよいので、必ず拠出をしてください。

今まで拠出した資産を運用しているだけでは、加入年数は加算されません。かならず毎月拠出をする必要があります。

申し込み資料は何部か取り寄せる

できるだけ加入年数を稼ぐためにはスムーズに移換する必要があります。ただし、企業型から個人型へ移換するときには、申し込みが煩雑になります。例えば、5枚綴りでそれぞれに銀行印を押す資料がいくつかあります。

申し込み資料の記入は失敗しやすいので、資料を取り寄せるときには何部か請求するのがオススメです。

自分の銀行口座から引き落とすようにする

次に、拠出額を給料天引きにするか、自分の指定した銀行口座から引き落とすか、選べるようになっているはずです。

これは自分の銀行口座から引き落とすようにするのがオススメです。なぜなら、そちらの方がコントロールがしやすく、申し込み時の間違いのリスクを減らせるからです。

給与天引きにすると、会社とのコミュニケーション・ミスが発生する可能性があり、ただでさえ複雑な申し込み作業で間違いが起きるリスクが上がってしまいます。気をつけて下さい。

移換が完了するまでに2ヶ月かかる

企業型から個人型への移換が完了するのは、申し込み資料が先方に届いてから、おおよそ2ヶ月かかります。

しかも、一度に完了するのではなく、下記のような段階を経ていくことになります。

  1. 個人型の口座が開設される(お金は移換されていない状態)。
  2. 企業型の資金が移動する(まだ移換中の状態)。
  3. 移換が完了し、個人型の拠出が開始する。

全部完了するのに2ヶ月かかります。途中で中途半端な状態を目にすることになりますが、あせらずに待ちましょう。

まとめ

今まで加入していた企業型の確定拠出年金を個人型へ移換させるときに気をつけるべきことを書きました。申し込み作業はとにかく大変ですので、気をつけてください。

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